2009年05月25日

DVD『ダンシング・ウィズ・ライブズ』

2009/7/4(土)18:30〜 あビルームで『ダンシング・ウィズ・ライブズー命と舞いながら』71分の上映致します。制作の横間恭子さんは現在カナダ在住で、10年かけてひとりの日本人ダンサーを追い続けました。以下はメンバーのNさんの作品紹介です。
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私が『ダンシング・ウィズ・ライブズ』にひきつけられたのは、私自身も実
家は神戸だったからかもしれない。
1995年1月。ニューヨークに渡り、ダンスを続けて3年目の睦代に実家のある
神戸が大震災の知らせが届く。実家の家族と全く連絡がとれない。いてもたって
もいられず、日本に向かう彼女。

 家が、線路が、高速道路さえもが大きく壊れ、地震の後の火災が追い討ちをかけ
る。ふるさとを失っただけでなく、彼女は実家の両親と弟の3人全てを失った。
それは、埋めがたい大きな喪失感であったと思う。それでも、帰国後、予定通
りダンスの公演で踊った彼女。

 彼女の心の傷を癒したのは、震災の翌年に結婚したノーマンの両親―アウシュ
ビッツ・ホロコーストを経験したサンディとイージー―の存在そのものだった。
子どもを奪われ、故郷を奪われ、夫婦も別れ別れになり、たどり着いた異国・ア
メリカで再会できた2人。60年以上たっても消えることのない不安を抱く2人に
睦代は共感する。
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 睦代の母は、『一つのことを生涯かけてやり通すことが大事』と習い事の中で
バレエだけはやめさせてくれなかった。小さい頃は友達と遊びたくて嫌だったこ
ろもあった。商売に失敗しても、ぜい沢はできなかったがバレエは続けさせてく
れた睦代の両親。睦代の母の『芸術は心に残るもの…』という言葉は、親として
なんと長いスパンで子どもの人生を考えたものだろう。
 
 芸術は物のように形の残るものではない、やり続けることは睦代と同様に楽し
いことばかりでなく、辛く悩むことも多い。でも、形がないからこそ、睦代は踊
ることが人生そのものになっていたのだと感じた。
 
 また、そんな睦代のためにチャリティー公演を開催させてくれる『ラ・ママ実
験劇場』のオーナーのセリフがいい。彼女を支援するだけでなく、日本で何が起
きたのかを多くの人に知らせたいという。何でもないことのようだが、そういう
目線が被災を経験した人たちへの暖かさを感じる。
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 睦代とノーマンに子どもが2人生まれる。人生は生まれ、亡くなり、でも生き
ているものの人生は続いていく。悩みつつも踊り続けることに喜びも抱く睦代の
生き方に、辛いことがあっても人生は悪くないなと思わされた。
 
 また、辛い状況を関西人独特の柔らかな口調で話す睦代の叔母をはじめとして、
暗くない……むしろ明るいトーンの画面が魅力的だ。そのせいか、この手のDVDに
しては長い71分を最後まで一気に見入ってしまった。




「ダンシング・ウィズ・ライブズ」の公式サイト
posted by wrapiy at 20:34| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | AKAMEからの上映会などのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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